ぎふレディースエル
 地元紙・岐阜新聞に隔月掲載される若旦那のお菓子な(!?)話。
 <2005.10月掲載分より>
 一つでもどうぞご遠慮なく

 近ごろ、「少しで悪いね。おじいさんと二人だから、たくさん買っても食べ切れなくて。ごめんね」「仏壇にお供えするだけだから、少しで悪いけど」などとおっしやって買っていかれる、年配のお客様が多くなりました。確かに昔は進物用だけでなく、おうちで食べるお菓子をたくさん買っていかれるお客様が多かったです。比較的若い方が多く買われる洋菓子も、昔はデコレーションケーキなども大きなサイズが売れましたが、核家族のせいでしょうか、今では小さなサイズがよく売れます。手押し車を押しながら買いに来てくださるおばあちゃんから、「少しでごめんね」と申し訳なさそうにおっしゃられると、こちらこそ恐縮してしまいます。どうぞ遠慮なさらないでください。私たちはそういう商売ですから、一つでも二つでもわざわざ足を運んで買いに来ていただけるのは、ありがたいことだと感謝しております。
 それから、「お寺さんにお出しするお菓子は、どんなものがいいですか」と相談されるお客様も増えました。これは法事などをされる方が若いと、要領がよく解らないという場合もありますが、お寺さんも世代交代なのか若い方が増えてきて、いつもおまんじゆうとお茶ではと、心配される方もあるようです。そんなときは「お寺さんや皆さんが喜ばれるものであればよろしいのでは。季節感のあるものはいかがですか」とお答えしています。例えば、相手の方に喜んでいただければ、コーヒーとケーキでもいいのではないでしょうか。
もちろん、亡くなられて問もない法要には向きませんが、時代に合わせて変えられるところは変えてもいいと思います。

 このように核家族に少子化、高齢化社会が身近に感じられるようになると、なんだか日本の古き良き姿が消えていくようで寂しいです。数十年前、今ほど便利で豊かでなくても、
家族が支えあって生きていた時代が、それほど経験があるわけでもないのに、懐かしく思えてしまう私。人としての生き方、人との関わり方なども昔に戻れば・・・などと非現実的なことを考えてしまいます。ま、ただの菓子屋のおっちやんが偉そうに論ずることでもありませんし、時代に合わせていかなければと思いますが。
 とはいえ、なんでもデジタルというこの時代、「そんなもの知らん!」と叫びたくなることがあります。その昔、鉱石ラジオを作って喜んで、電子ブロックで遊んでいたころはトランジスタが全盛でしたが、やっぱり真空管もいいと通(つう)ぶったり、IC(集積回路)の小ささに感激したり。音楽を聴くのはもちろんレコード、ギター片手にテープレコーダーを繰り返し巻き戻し・・・と、どつぶリアナログで生きてきた私は、理屈も分から
ないのにとんでもないことができてしまうデジタルというヤツに、イラつくのです(笑)。

 話は戻りますが、気がつけば、街を走る車に福祉関係の車が目立つようになりました。お年寄りに優しいお店を心掛け、お年寄りにおいしく食へていただけるお菓子を作っていければと思っています。


-Back-